NIA / COCOMO
推しの鼓動と連動して動くぬいぐるみ型デバイス
- TOKYO STARTUP GATEWAY 2024 ファイナリスト
- Why-Me?(慶應義塾大学 KBC主催) ファイナリスト
プロジェクト概要
推しの心拍と連動して動く、ぬいぐるみ型デバイスです。NIAという名称で開発を開始し、後にCOCOMOへ改称しました。ぬいぐるみが呼吸をし、鼓動に合わせて振動し、体温に合わせて温かくなることで、「推しがそこにいる」という感覚の最大化を図りました。
相談から構想へ
このプロジェクトは、アイドルやテレビ関係者から寄せられた相談が発端です。配信やライブの際に、ファンとの距離をより近く感じられる手段を実現できないか、という内容です。大学1年の秋には推し活EXPOを訪問し、会場で推し活市場の規模と熱量を目の当たりにして、この相談には応える価値があると確信しました。共にプロジェクトを推進していた西田翔平さんと手応えを持ち寄って協議した結果、心拍を共有するぬいぐるみという、現在の形に到達しました。
NIAは当初、西田さんがスマートフォンアプリとして実装していました。これをぬいぐるみとして実装できないかという案が浮上し、ハードウェアの設計と開発は私が一手に担当しました。
製作したデバイス
心拍データの取得と送信はESP8266で構成し、筐体と機構はAutodesk Inventorで設計しました。呼吸はラックアンドピニオン機構による胸の動きで再現し、鼓動は心拍と同期した振動で、体温は加温で表現します。抱きしめた際に体感できることを重視しました。
筐体内部の設計CAD
センサ生データの取得画面YouTubeなどで活動する配信者も想定し、OBSと連携することも意識しました。例えば、心拍数に応じて表示が変化するUIのデモを、PythonとOpenCVで実装しています。
配信と同期する技術
このプロジェクトの一番の特徴は、配信自体をぬいぐるみに直接連動させる同期技術です。心拍などのデータを映像とは別の回線で送ると、二つの経路の転送速度が一致しないため、必ずタイムラグが発生します。例えば、YouTubeのコメント欄は映像より20秒から1分ほど遅れて表示されます。
そこで、データを配信映像自体に埋め込んで1系統で送信し、ぬいぐるみの内部で映像を処理してデータを抽出する方式を開発しました。映像とデータが常に同一の経路を通るため、配信の遅延にもアーカイブの再生位置にも自動で追従し、映像とぬいぐるみの挙動のずれは原理上ゼロになります。画面の中の推しが驚いた瞬間には、腕の中のぬいぐるみも同じタイミングで鼓動を速めます。リアルタイムの配信でも、事後のアーカイブ視聴でも、これが同様に成立します。
評価と発表
二人で挑んだ東京都主催のビジネスプランコンテスト、TOKYO STARTUP GATEWAY 2024では、ファイナリスト10名に選出されました。慶應義塾大学公認の起業サークルKBCが主催するピッチコンテストWhy-Me?(2025年1月)でも、ファイナリスト6組の一つとして登壇し、「人と人の心をつなぎ、安心感と絆を生み出すテクノロジー」としてNIAが紹介されています。PoCでは実際にアイドルが使用し、非常に良好なフィードバックを得ることができました。