bukken_finder
間取り・移動時間まで検索できる物件データベースツール
プロジェクト概要
物件に関する情報(間取りの画像、部屋の画像、物件情報のテキストなど)を入力すると、家賃や広さ、職場など特定の場所への実際の移動時間を計算して、データベース化するツールです。間取りの畳数、部屋の構成、職場に9時に到着できるか、家賃の上限、といった条件に合致する物件を網羅的に検索できます。
当初は、自身の転居先を選定する為に製作していましたが、不動産業者から依頼を受けて、現在は基盤システムを提供しています。
開発の動機
転居先を選定する過程で、私は駅から徒歩何分という情報より、大学や職場までのドアツードアの所要時間を知りたいと考えていました。乗り換えも徒歩区間も含めたその数値は物件サイトのどこにも掲載されておらず、候補を一つずつ手作業で経路検索する作業は、早々に限界に達しました。
間取りの情報にも問題があります。表示方法に統一された規格が存在しません。部屋の平米数は取得できますが、廊下や水回りまで含んだ数値であるため、生活空間の広さは判別できません。間取り画像には部屋ごとの畳数が記載されているにもかかわらず、画像形式のため検索できません。ベッドやキッチンの配置に関する要望を実現しようとすると、間取り画像を何十枚も収集して、一枚ずつ目視で比較せざるを得ません。極めて非効率です。
構築したシステム
とある物件サイトから検索条件に合致する物件をスクレイピングで収集し、Google Maps APIで目的地までの移動時間を一括取得して、家賃と広さと移動時間で並べ替え可能にしました。
間取り画像や内見画像が取得できた物件は、AIに解析させて、画像の中にしか存在しない畳数や部屋の構成を検索可能なデータに変換します。ただし、画像をそのまま解析にかけると、AIの利用料金が膨大になります。そこで、独自の前処理で解析の負荷を軽減してからAIに入力する構成にしました。
Google Maps APIの利用料金にも配慮しています。経路検索の回数は物件数と目的地数の積で増加するため、何も工夫せずに呼び出すと費用が急速に膨張します。取得結果をキャッシュして再計算を回避する構成にし、条件を変更しながら何度でも絞り込める設計にしました。
成果
自身の不便を解消する為に製作した道具が、最終的には不動産業者の基盤に採用されるまでに至りました。日常の不便を当日中にコードで解消する習慣は、ハッカソンでも業務でも発揮されています。自身の意思決定を自身のデータで支える道具を、運用費用まで考慮して完成させることができたことも、満足している点です。